悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
「エリオット殿下はいいですね。二番目の王子でありながら、国民からの期待も声援も得て立派だと誰もが言います。あなたが次期国王でもよいというお声も聞きますし、幸せ者ですね」
ルカは笑顔だが、アメリアはなんだか嫌な気持ちがした。
(なんだろう。褒められているのに、こう、もやっとするわ)
つい考え込む。その様子を、クラークが眼鏡を押し上げながら横目に見ていた。
「だからなんだというんだ?」
「いえね、俺は尊敬しているわけです。幼少より学の面でも注目され、剣の才もあってご自分の部隊もお持ちで、十代後半からは兄王子にも国王にも貢献している」
「よく回る口だな。俺のことをわざわざ調べてくれたのか?」
エリオットが唇を引き上げ、皮肉を返す。
「そりゃあ、世話になっている先の王家ですから。それでいてエリオット殿下は、美しい婚約者もすんなり手に入れたというし、本当に羨ましいです。俺に譲って欲しいくらいですよ」
手で示されたアメリアは、きょとんとする。
(あ、一目惚れでお見合いという噂が流れていたっけ……私たちの場合、エリオット様が偽装婚約を持ちかけてきたことがきっかけだけれど)
そんなことを考えている彼女の横で、クラークがぴくっと眉を反応させた。
アメリアは、不意に寒気がした。
「すんなり手に入れただと? なわけないだろ」
ルカは笑顔だが、アメリアはなんだか嫌な気持ちがした。
(なんだろう。褒められているのに、こう、もやっとするわ)
つい考え込む。その様子を、クラークが眼鏡を押し上げながら横目に見ていた。
「だからなんだというんだ?」
「いえね、俺は尊敬しているわけです。幼少より学の面でも注目され、剣の才もあってご自分の部隊もお持ちで、十代後半からは兄王子にも国王にも貢献している」
「よく回る口だな。俺のことをわざわざ調べてくれたのか?」
エリオットが唇を引き上げ、皮肉を返す。
「そりゃあ、世話になっている先の王家ですから。それでいてエリオット殿下は、美しい婚約者もすんなり手に入れたというし、本当に羨ましいです。俺に譲って欲しいくらいですよ」
手で示されたアメリアは、きょとんとする。
(あ、一目惚れでお見合いという噂が流れていたっけ……私たちの場合、エリオット様が偽装婚約を持ちかけてきたことがきっかけだけれど)
そんなことを考えている彼女の横で、クラークがぴくっと眉を反応させた。
アメリアは、不意に寒気がした。
「すんなり手に入れただと? なわけないだろ」