悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
だが、新規参加の男二名は、イメージが沸かなかったらしい。

クラークと揃って、ルカがゆっくりとソフィアを注目した。

それぞれ表情が違っているのが面白かったのか、先に詳しく話を聞いていたミッシェルがすくす笑っていた。

「鳥の名前は『ブルーノ』というのですけれど、新しい家の部屋も気に入ってくれたみたいで安心しました。近々は難しそうなので、いつか会わせますね」

結婚式の日から新居で数日を過ごしたのち、新婚旅行に出かける予定があるという。もちろん、ソフィアの相棒である〝例の鳥〟も一緒だ。

――伝達役にして、情報が集約される青い鳥『ブルーノ』。

あの鳥は、ゲームの中ではヒロインが情報を知るための重要ツールだった。どこよりも情報が早い。

文字を書いて伝えるという特殊な特技も備わっているが、それはゲームの設定のため、ヒロインのソフィアは謎に思わないだろう。

二人は、三週間をかけて国内の観光地を巡るようだ。

スケジュールが確定するまで、その調整にも大変だったのだとか。

「ヒューゴさんの友人様たちが、国内の素敵なところをそれぞれご紹介してくださいまして。彼の有給も限りがありますから、とても迷いました」

「まさか結婚祝いで、無料の宿泊権までいただけるとは思ってませんでした」

ヒューゴは不思議がっていたが、彼が愛される後輩気質な存在であるせいだろう。

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