悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
ミッシェルがくすぐったそうに言って、メイド達を連れて歩いて行く。
彼女はいつも『また』と告げる時、はにかんだ。再開の約束ができることが嬉しいようだった。
そんな彼女の後ろ姿を、アメリアはクラークと一心に眺める。
「はぁ。後ろ姿さえも尊いわ……」
「しばらく追い駆けて、目に焼き付けたいです」
アメリアはうっとりしながら、その言葉を想像する。
(うふふ、そんなことしたら本当にストーカー……あ、いや、彼はストーカー野郎だった)
出会った時、クラークは、身も知らぬ乙女であるアメリアに剣を突き付けてきたとんでもない男(ファン)なのだ。
冷酷無情な若き近衛騎士隊長、クラーク・バトス。
彼は、この乙女ゲーム【ソフィア・ハーバーと青い鳥】の中で、難航不落と呼ばれていたレア級の攻略キャラだ。
灰色の髪と、細い眼鏡と冷ややかなアッシュブルーの目。淡々と仕事をこなす優秀な男で、その鉄仮面が崩れることはない――とゲームではされていた。
だが事実は、ただのミッシェルのストーカーだった。
(最推しがいるからゲームのヒロインにさえ目がいかなかった、そう分かると難攻不落も納得よね)
愛が重い、かなりの〝ファン〟なのだ。
こんなに意気投合するとは、出会った時には思ってもいなかった。
彼女はいつも『また』と告げる時、はにかんだ。再開の約束ができることが嬉しいようだった。
そんな彼女の後ろ姿を、アメリアはクラークと一心に眺める。
「はぁ。後ろ姿さえも尊いわ……」
「しばらく追い駆けて、目に焼き付けたいです」
アメリアはうっとりしながら、その言葉を想像する。
(うふふ、そんなことしたら本当にストーカー……あ、いや、彼はストーカー野郎だった)
出会った時、クラークは、身も知らぬ乙女であるアメリアに剣を突き付けてきたとんでもない男(ファン)なのだ。
冷酷無情な若き近衛騎士隊長、クラーク・バトス。
彼は、この乙女ゲーム【ソフィア・ハーバーと青い鳥】の中で、難航不落と呼ばれていたレア級の攻略キャラだ。
灰色の髪と、細い眼鏡と冷ややかなアッシュブルーの目。淡々と仕事をこなす優秀な男で、その鉄仮面が崩れることはない――とゲームではされていた。
だが事実は、ただのミッシェルのストーカーだった。
(最推しがいるからゲームのヒロインにさえ目がいかなかった、そう分かると難攻不落も納得よね)
愛が重い、かなりの〝ファン〟なのだ。
こんなに意気投合するとは、出会った時には思ってもいなかった。