悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
「そう……無茶だけはしないでね」
「アメリアに心配されるのなら、したくもなるけどな」
それはそれで悪くないと、彼がにやりとする。
包み込む手の力が強くなって、空気や、二人の体温が一瞬で変わるのを感じてどきどきした。
「……エリオット様は、私に構われたいの?」
「そりゃもちろん。いつだってアメリアの中心でいたいと思うよ。ミッシェル嬢に負けないよう、引き続き努力しようと思う」
エリオットが、アメリアの左手の婚約指輪に唇をつけた。
「努力だなんて……」
胸が煩いくらいに高鳴っている。
この感情が、どういうものなのかアメリアは分からない。彼の言葉をうれしいと感じているし、もう十分だと思う気持ちもある。
ミッシェルは尊い、という気持ちだってあった。
けれど、エリオットもまた目に眩しいくらいに輝いて見えて――。
「結婚するのなら、俺以外考えられないと言ってくれたことも嬉しかった」
彼の紺色の目に、再び自分の顔が映ったのが見えてどきりとする。
「あれは……だって、本心だもの」
思い出すと恥ずかしい。表情や手の温もりからもすでにバレバレな彼には、言い訳は通用しない。
「なかなか素直になるタイミングが少ないから、俺はうれしい」
「わ、私だって、エリオット様みたいに素直になろうとは努力しているの」
「アメリアに心配されるのなら、したくもなるけどな」
それはそれで悪くないと、彼がにやりとする。
包み込む手の力が強くなって、空気や、二人の体温が一瞬で変わるのを感じてどきどきした。
「……エリオット様は、私に構われたいの?」
「そりゃもちろん。いつだってアメリアの中心でいたいと思うよ。ミッシェル嬢に負けないよう、引き続き努力しようと思う」
エリオットが、アメリアの左手の婚約指輪に唇をつけた。
「努力だなんて……」
胸が煩いくらいに高鳴っている。
この感情が、どういうものなのかアメリアは分からない。彼の言葉をうれしいと感じているし、もう十分だと思う気持ちもある。
ミッシェルは尊い、という気持ちだってあった。
けれど、エリオットもまた目に眩しいくらいに輝いて見えて――。
「結婚するのなら、俺以外考えられないと言ってくれたことも嬉しかった」
彼の紺色の目に、再び自分の顔が映ったのが見えてどきりとする。
「あれは……だって、本心だもの」
思い出すと恥ずかしい。表情や手の温もりからもすでにバレバレな彼には、言い訳は通用しない。
「なかなか素直になるタイミングが少ないから、俺はうれしい」
「わ、私だって、エリオット様みたいに素直になろうとは努力しているの」