悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
ぴくんっぴくんっと身体がはねてしまう。

「いいよ。そのまま感じて」

舌を伸ばしたまま熱い吐息をこぼし、彼はアメリアの口からこぼれた唾液を舐め取る。

「少し触る」

「んんっ」

合図があったのは有難いが、やはり胸を撫でられるのはまだ慣れなかった。

キスをしながら、彼の大きな手が胸の膨らみから脇腹まで何度も往復する。口付け合っている時にそうやって触られると、なぜだか気持ちもいい。

二人分の衣擦れの音がしていた。艶めかしい呼吸音は、熱い。

「あまり怖がらなくなってくれたことも、喜ばしい」

感嘆の息を吐き、エリオットが両腕で抱き上げて鎖骨の上にキスを落とす。

「んっ。エリオット様……」

白い肌に、れろりと舌を這わせる光景はいやらしかった。

どきどきして、もっと熱が上がる。

「次は、アメリアからして」

顔を上げたエリオットと目が合った。

恥ずかしくてたまらなかったけれど、気付けば彼の腕の中に捕らわれていて動けない。

アメリアはこくんと頷くと、顔を寄せながらそろりと舌を伸ばした。

「ン……っ」

つたないながら、唇を重ね合わせて彼の舌にも触れる。

まだ数える程度しか自分からはしたことがないため、ぎこちないことは自覚していた。

エリオットがしやすいように応えてくれるため、どうにかキスができる。教えられた通りに、と頭の中で繰り返し吸い付いた。

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