悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
美しさのあまり第二王子が一目惚れし、見合いをして即婚約、という経緯も恋に夢見る女性達を騒がせていた。

仲の良さを見せつけた決め手は、マティウスがミッシェルと婚約決定となって各新聞の一面を飾った例の舞踏会だ。二人は兄王子の祝福のそばで仲睦まじさを見せつけた、と国民たちも安心させてしまった。

それから一週間が経った。

教育日程も決定し、ミッシェル侯爵令嬢が本日より王太子妃教育に入る。

【活動にも積極的ながら、教育にも熱意を示す】

今朝、ファンが彼女への取材を勝ち取った新聞社から号外を買い求めた、と社会現象を巻き起こしていた。

先に第二王子と婚約していたアリメア・クラレンスの王弟妃教育の開始は、次週に決定した。その次で構わないと申し出てのことだ。

それまでは準備期間として、一週間の休みをいただくこととなっていた。

『アメリア様、なんてお優しいお方なのかしら!』

『国民に貢献したいというお気持ちに気付き、ミッシェル様のお心を救った救世主らしいぞ。素晴らしい!』

『十五歳にして配慮と慈愛に溢れていらっしゃる。そんな十五歳の才女に愛された第二王子殿下もまた、幸せ者だ』

そう誰もが噂しているアメリア・クラレンスは――実は〝前世からの〟猛烈なミッシェルのファンだった。

悪役令嬢になるはずだった彼女は、日本人女性として生きていた頃の記憶を持っていた。

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