悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
「ディゼル王国まで? 偉い方々がそんなにたくさん参加されているんですね」

貴族達の動向を眺めていたクラークが、何か思うところがある顔をした。けれど数秒考える間を置いたのち、説明する。

大貴族の王都入りも続く中、予定されていた通り、七ヵ国の国賓達が祝いの品を持って到着している。

直近で来国予定の残る国賓らを待って、お礼と歓迎を込めて舞踏会が開催される予定だという。

「その中で、もっとも王家と繋がりが強いのが、後宮で滞在されている王位継承待ちのその大公夫妻。次が、隣国のバゼリリアン王国の第五王子です」

「バゼリリアン王国……?」

「もっと勉強なさい。代々、王家は兄弟がもっとも多いことで知られています」

その代表で来国しているのだとか。

バゼリリアン王国は、このウィルアベル王国と、複数の国が隣接している大国になるとう。

「その五番目の王子様、かぁ」

「まぁ王子の来国は初めてですし、こちらから出向かうこともないので今すぐ全兄弟の名前を把握する必要はないかと。彼らは揃って特徴がありますから、すぐ見わけもつくはずですよ」

「特徴?」

と、クラークの目が向こうへと戻る。

「前を見ないともったいないですよ。ミッシェル様と王妃陛下のセットです」

「えっ!」

ぐりんっとアメリアは顔を正面へ向けた。

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