悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
三章 アメリアと隣国の第五王子

翌日。

前日と心機一転し、アメリアは王宮からきた迎えの馬車に前向きな気持ちで乗った。

(クラーク様と話したおかげで気持ちも落ち着いたし、早速っ、ミッシェル様のことで行動を起こすわよー!)

アメリアの目的は、最推しである〝高貴なる令嬢〟ミッシェルの幸せだ。

そして、それを全力で眺めて愛でることである。

「ほら、社交はヴァレンティーナ様たち『白薔薇の会』が全面バックアップだし、近付く人も徹底してチェックしてくれているし。そのうえ、みんなが布教活動まで手伝ってくれていて安心でしょ?」

王宮に到着すると、約束通りクラークがいて下車と同時に合流した。王宮の建物に向かって歩きながら、アメリアは考えを同志に話す。

彼はいつも、推しへの想いを聞いてくれる。

だから、安心して考えを述べることができた。

「そこでっ、まずは今の私たちができることに活動を絞ってみることにしました!」

彼女は得意げに胸へ手を置く。

ぜひ聞いて欲しいと言わんばかりの表情を見下ろし、クラークは「いいでしょう、続きを」と促した。

「まず私たちは、妃教育でなかなか時間が取れません。そこで第一の推し活は、『ミッシェル様がどれほど素敵か、みんなに分かってもらうための活動』をしたいと思います!」

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