悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
「それどういう意味!?」

「ただ、まぁ、コレもまた想定外に目立ちそうなので、うまく使えば談笑に入るネタとしては使えそうですが。かえって説明などが面倒な気もします」

クラークの目が、アメリアと自分の後ろへ向く。

(ああ、たしかに……)

現実だと思いたくなくて、しばらく目をそらしていた。しかしやる気が落ちてたまるものかという思いで、嫌々ながら再び確認する。

そこには、あとをついてくる第五王子ルカの姿があった。

異国の王族衣装、紫色の髪という特徴もあってかなり目立っている。散歩で来たことがあるという彼は、物珍しさも七割減であたりを見回していた。

「まさか本当についてくるなんて……」

思わず呟くと、ルカが「ん?」と言って目を合わせてきた。

「あ、ようやく『用事関係の話』は終わった?」

「今のは別に用事関係の打ち合わせでは……」

興味がないことには、耳を傾けることもしない人なのかな、とアメリアは不思議に思う。

「だって、アメリア嬢が行くと言って『じゃあ俺も』って言ったじゃん」

「私たち、ここには用があって来たとも言いましたわ」

もう彼相手に『わたくし』というのも疲れてしまった。

先程、本人からまたしても『堅苦しくなくていいよー』という感じのことを言われたので、甘んじることにする。

「邪魔はしないからさ、同行させてよ。暇になったら俺とお喋りして」

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