悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
とはいえクラークが言った通り、時間は有限だ。ルカの同行は気になるが、仕方なく貴族サロンにそのまま突入する。

「それにしてもルカ様。クラーク様がいるのに本当についてくるんですか?」

「エリオット殿下任命の専属護衛のこと? ただの護衛だろ、いてもいなくても問題ないし」

正論ではあるが、この国の第二王子の婚約者につきまとうのは問題だ。

それをルカは全く配慮していない。というより、彼は婚約者であることを知っていながらしているのをアメリアは感じた。

(警戒は、していた方がいいかもしれないわね…‥)

今、他国の王族と波風を立てるのはよくない。それにアメリアは、第二王子であるエリオットの婚約者だ。

少し前まで、婚約破棄されると思って投げやりだった。

けれど、今は違う。

彼と無事に結婚までいきたいと思うし、この先の未来でも、エリオットをパートナーとして支えたいと思っている。

(『王子様』は彼やマティウス殿下みたいに、高い教育も受けて賢い人が多いイメージがあったのだけれど……五番目という立場のせいかしら?)

アメリアは、サロン内を進みながらちらりとルカを見上げる。

すると視線を察知したのか、彼がばちっと視線を返してきた。

「俺、アメリア嬢と話したいんだ。向こうで座って話さない?」

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