悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
その赤薔薇色の瞳は、前を見ていた。よその意見など知る気もない、という朗らかな顔だ。
そこがロバートの尊敬するところでもあった。
彼は周りの噂に左右されることなく、ただまっすぐ〝自分の目で見て、自分なりに真実を判断する〟節があった。
「生まれた時には決めていたんです。『この子は、僕の全てを懸けて守ろう、愛そう』って」
ロバートが、自分の大きな手を見る。
妹バカだと言えなくなりそうだな、とエリオットは思ってしまった。
アメリアを思い出しているであろうロバートの目は、家族として心から愛している者の眼差しだった。
「――そうか。生まれた時、お前はまだ四歳くらいだったろう。すごいことだな」
十五年と数ヶ月、ずっとそばにいて見てきた。
その愛情の深さは、今のエリオットではまだ敵うはずもないと痛感させられた気分だった。
「そうですね。僕も、どうしてか運命のようなものを感じてしまって、不思議ではありました」
「アメリアが生まれた時か?」
「はい。母に『抱っこしてみて』と渡された時、この腕に柔らかな重みを感じた瞬間、とにかくとても愛おしくて、なんだかとても懐かしいような思いがして――〝俺〟は今度こそ、あの子の花嫁姿を見たい」
俺、と彼が言うのが聞こえた。
独り言のような呟きに、エリオットはつられて目を向ける。
そこがロバートの尊敬するところでもあった。
彼は周りの噂に左右されることなく、ただまっすぐ〝自分の目で見て、自分なりに真実を判断する〟節があった。
「生まれた時には決めていたんです。『この子は、僕の全てを懸けて守ろう、愛そう』って」
ロバートが、自分の大きな手を見る。
妹バカだと言えなくなりそうだな、とエリオットは思ってしまった。
アメリアを思い出しているであろうロバートの目は、家族として心から愛している者の眼差しだった。
「――そうか。生まれた時、お前はまだ四歳くらいだったろう。すごいことだな」
十五年と数ヶ月、ずっとそばにいて見てきた。
その愛情の深さは、今のエリオットではまだ敵うはずもないと痛感させられた気分だった。
「そうですね。僕も、どうしてか運命のようなものを感じてしまって、不思議ではありました」
「アメリアが生まれた時か?」
「はい。母に『抱っこしてみて』と渡された時、この腕に柔らかな重みを感じた瞬間、とにかくとても愛おしくて、なんだかとても懐かしいような思いがして――〝俺〟は今度こそ、あの子の花嫁姿を見たい」
俺、と彼が言うのが聞こえた。
独り言のような呟きに、エリオットはつられて目を向ける。