近くて遠い幼なじみの恋
「触んないでよ!」

「こんな格好のさちが悪い」

「うるさいなー!結納した人が他の女にこんな事したらダメじゃん!!」

結納を口にした途端ピクッと動きを止めて

「何だ。さち知ってたんだ。」

「鯛、配達したもん」

やばい泣きそう。
言って惨めになって涙が出そうになる。
あーちゃんは私が好きなの知ってると思ってた。

知らないからこんな冗談出来るんだ。

「悪い、やり過ぎた」

謝られるともっと惨めになる
本当にあーちゃんは私の事を幼なじみとしか思って無かったのだと痛感させた

「朝ご飯出来てるわよー!」

1階から母の呼ぶ声に私達はさっと距離をとった。

下を見続けた私の頭を優しくポンと撫でて部屋を出て行った

下から母の声のあーちゃんにご飯を勧める声。
すぐに玄関のガラガラと言う音であーちゃんは断って帰ったのが分かる

「私も仕事…」

痛い頭と重い身体を動かして下りて行く。

「早く食べなさいよ」

テーブルの上には私の二日酔いの為なのかしじみ汁が温かい湯気を立ち上らせていて私は涙を隠すようにお椀に口をつけた
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