スクールアイドル防衛隊─通行人A子と弱虫王子―
花菱先輩が指差したのは、私の家のあるマンションではなく、その隣に新しく建てられたタワーマンションだった。
び、びっくりしたぁ・・・、まさかの同じマンションかと思った・・・。
そのタワーマンション、私のマンションの隣に、つい最近・・・1年前くらいに建てられたんだ。
何階建てかは分からないんだけど、私のマンションよりもすっごい高くて、深い茶色の壁が高級感あるの。
お母さんが「コンシェルジュの居るマンションなんて、憧れるわぁ」って言っていた。
コンシェルジュは、ホテルとか、玄関に居るプロのスタッフさんのことなんだって。
そんな高級マンションに住んでるだなんて、さすが花園学園に入れる生徒なだけある。
きっと、かなりお金持ちなんだろうなぁ。
「マンションってことは、みっくんやっぱり一人暮らし? 花菱財閥の御曹司がそれって、不用心じゃない?」
・・・財閥の御曹司!?
「ミヤ、その言い方はちょっと・・・やめてほしい。あと、オレ兄さんと二人暮らしだから一人じゃないよ。」
「ごめんごめん。つい。」
お金持ちのレベルが予想を遥かに上回っていて、目が零れる思いだった。
花菱財閥って・・・あの明治維新からこの日本を支えてきてる金融の大手グループじゃない!
GHQの財閥解体後、また復活して、金融の他に楽器、家電、様々な事業に手を伸ばして巨万の富を手に入れたっていう、教科書にも載ってるレベルの大手グループだ。
この街のあちこちにも、花菱銀行や家電量販店ルクス、花菱グループと関係の深い店が沢山ある。
そんな有名人がこんな近くに居ただなんて・・・!
・・・あれ?
ってことは花菱先輩のお兄さんって・・・。
「みっくんのお兄さんって・・・あの花菱 圭佑!? え、いいなぁ、オレ1回会ってみたかったんだ!」
「あの兄さんで良いなら、いくらでも会わせてあげるよ。今日は兄さん居ないけど。」
花菱先輩が苦笑いしながら言う。
花菱 圭佑、テレビをあまり見ない私ですら、ニュースで何度も見かけている若手有名俳優だ。
あの花菱財閥の御曹司って、ニュースで言っていたからなんとなく覚えていた。
あと、抱かれたい男1位だったっけ。
朝ドラにも出ているって言っていた。
確か髪は茶髪だったけど、よく思い出してみれば花菱先輩と少し顔立ちが似ていた気がする。
い、色色と凄いなぁ、この先輩・・・。
ここまで来ると、驚きを通り越して花菱先輩だから、で納得できるような気すらしてきた。
「ここまで一緒に来てくれてありがとう。・・・どうせだし、上がってく?」
少し先まで行って、花菱先輩は私達を振り返った。
「え、行きたい!!」
ミヤさんは目を輝かせて頷いている。
私はといえば、少し、興味があった。
だって、教科書にも載ってるような財閥の人の家だよ?
どんな家に住んでるんだろう、どれだけ豪華なんだろうとか、気になる。
「相模も、どう? お茶くらいは出すよ。」
花菱先輩がその美貌に天使の様な微笑みを浮かべてこっちを見ている。
う、本当にクラッとしちゃうくらい綺麗だ。
そのエメラルドみたいな双眼に見つめられると、断れなくなる。
「私も、行きたいです。」
そう言えば、彼は嬉しそうに金茶の睫毛に縁取られた目を細めた。
まぶし……!
夕日の加減もあって、後光が差しているようで、その姿が神神しすぎて目を逸らす。
本当、人を狂わす美貌だなぁ……!
先生の言っていた、芸術作品の域って言葉の意味を、私は今ありありと実感していた。
び、びっくりしたぁ・・・、まさかの同じマンションかと思った・・・。
そのタワーマンション、私のマンションの隣に、つい最近・・・1年前くらいに建てられたんだ。
何階建てかは分からないんだけど、私のマンションよりもすっごい高くて、深い茶色の壁が高級感あるの。
お母さんが「コンシェルジュの居るマンションなんて、憧れるわぁ」って言っていた。
コンシェルジュは、ホテルとか、玄関に居るプロのスタッフさんのことなんだって。
そんな高級マンションに住んでるだなんて、さすが花園学園に入れる生徒なだけある。
きっと、かなりお金持ちなんだろうなぁ。
「マンションってことは、みっくんやっぱり一人暮らし? 花菱財閥の御曹司がそれって、不用心じゃない?」
・・・財閥の御曹司!?
「ミヤ、その言い方はちょっと・・・やめてほしい。あと、オレ兄さんと二人暮らしだから一人じゃないよ。」
「ごめんごめん。つい。」
お金持ちのレベルが予想を遥かに上回っていて、目が零れる思いだった。
花菱財閥って・・・あの明治維新からこの日本を支えてきてる金融の大手グループじゃない!
GHQの財閥解体後、また復活して、金融の他に楽器、家電、様々な事業に手を伸ばして巨万の富を手に入れたっていう、教科書にも載ってるレベルの大手グループだ。
この街のあちこちにも、花菱銀行や家電量販店ルクス、花菱グループと関係の深い店が沢山ある。
そんな有名人がこんな近くに居ただなんて・・・!
・・・あれ?
ってことは花菱先輩のお兄さんって・・・。
「みっくんのお兄さんって・・・あの花菱 圭佑!? え、いいなぁ、オレ1回会ってみたかったんだ!」
「あの兄さんで良いなら、いくらでも会わせてあげるよ。今日は兄さん居ないけど。」
花菱先輩が苦笑いしながら言う。
花菱 圭佑、テレビをあまり見ない私ですら、ニュースで何度も見かけている若手有名俳優だ。
あの花菱財閥の御曹司って、ニュースで言っていたからなんとなく覚えていた。
あと、抱かれたい男1位だったっけ。
朝ドラにも出ているって言っていた。
確か髪は茶髪だったけど、よく思い出してみれば花菱先輩と少し顔立ちが似ていた気がする。
い、色色と凄いなぁ、この先輩・・・。
ここまで来ると、驚きを通り越して花菱先輩だから、で納得できるような気すらしてきた。
「ここまで一緒に来てくれてありがとう。・・・どうせだし、上がってく?」
少し先まで行って、花菱先輩は私達を振り返った。
「え、行きたい!!」
ミヤさんは目を輝かせて頷いている。
私はといえば、少し、興味があった。
だって、教科書にも載ってるような財閥の人の家だよ?
どんな家に住んでるんだろう、どれだけ豪華なんだろうとか、気になる。
「相模も、どう? お茶くらいは出すよ。」
花菱先輩がその美貌に天使の様な微笑みを浮かべてこっちを見ている。
う、本当にクラッとしちゃうくらい綺麗だ。
そのエメラルドみたいな双眼に見つめられると、断れなくなる。
「私も、行きたいです。」
そう言えば、彼は嬉しそうに金茶の睫毛に縁取られた目を細めた。
まぶし……!
夕日の加減もあって、後光が差しているようで、その姿が神神しすぎて目を逸らす。
本当、人を狂わす美貌だなぁ……!
先生の言っていた、芸術作品の域って言葉の意味を、私は今ありありと実感していた。