スクールアイドル防衛隊─通行人A子と弱虫王子―
花菱先輩についていき、自動ドアをくぐる。
フロントは広くて、赤い絨毯が敷かれているからか優雅な印象だ。
そして、お母さんの言っていた通り、コンシェルジュだろうお姉さんが居る。
先輩がスマホを操作すると、ロックが掛かっていただろうドアが開いて、奥へ進めるようになった。
エレベーターも広くて、しかもこれにもロックが掛かっているようだった。
エレベーター内も 絨毯が敷かれていて、私の家のマンションの倍ほどは広い。
手すりもついていて、どこかのホテルのエレベーターみたいだ。
中はこんなだったんだ・・・って私は感心してばかりだった。
流石、高級マンション。
何もかもが高級そう!
花菱先輩は当たり前のように、というか当たり前なんだろうけど、最上階、32階のボタンを押した。
やっぱり最上階なんだ。
それだけお金持ちなんだもんね。
私のタワーマンションの最上階のイメージは、夜景の見える中、ワイン片手に寛ぐ様子なんだけど、現実もそんな感じなのかな?
2、3、4、5、6、7、8・・・エレベーターはどんどん上へと上がっていく。
「やっぱりタワマンは違うねー。ここも花菱財閥の?」
え、まさか所有してるとか?
「今はもう財閥じゃなくてグループだよ。まぁ、一応ここも花菱グループが持ってるマンション。」
すごぉ!
マンション所有してるなんて初めて聞いたよ。
チン、と音がなって32階に着いた。
ゆっくり扉が開くと花菱先輩は歩きはじめる。
その通路を見て、私は違和感を覚えた。
・・・あ、表札に何も書いてないからだ。
名字も何も無く、真っ白。
誰も入っていないのかな。
最上階だし、値段も多分かなり高そうだし・・・、買い取ってくれる人が居ないとか?
「この階みっくんしか住んでないの?」
私の気持ちを代弁するように、ミヤさんが言った。
そう、それ、気になってたの。
「うん、ちょっと・・・。昔いろいろあって。」
「いろいろ?」
ミヤさんの言葉に花菱先輩は立ち止まる。
「ここがオレの家だよ。その話は・・・家入ってからしよう。」
その顔は微笑んでいたけれど、明るい虹彩に睫毛の影が落ちている。
声には取り繕えない憂いが混ざっていて・・・物凄く、綺麗だった。
絵になるってこのことだ。
まるで宮廷画家に描かせた1枚の絵画みたい。
ぼーっと見惚れていれば、ミヤさんが前に出る。
「言いたくなきゃ、言わなくてもいいよ?」
「いいよ。言う。気になるでしょ? とりあえず入って。」
花菱先輩が鍵を開けて、ドアを開いて待っている。
中、すっごい広い!
その玄関に入った私はキョロキョロとその空間を見回した。
私の住むマンションとは違って、玄関だけで1室みたい。
壁は石材で、フローリングもピカピカ!
柔らかい暖色のライトがおしゃれな雰囲気を出している。
家の香りなのかな、ふわりとクチナシの香りがした。
「靴こっちに置いて。」
花菱先輩がドアを引けば、中に沢山の靴の並べられた部屋があった。
「やっぱ花菱財閥が所有してるだけあるね。シューズインクローゼットも、マンションにしてはかなり広いじゃん。」
ミヤさんは当たり前の様に言ってるけど・・・もしかして、これがシューズボックス!?
私のマンションではちょこんと壁にくっついてるだけなのに、こんな広い部屋が全部靴を入れる為に作られたものだなんて・・・。
恐るべし、お金持ち・・・。
フロントは広くて、赤い絨毯が敷かれているからか優雅な印象だ。
そして、お母さんの言っていた通り、コンシェルジュだろうお姉さんが居る。
先輩がスマホを操作すると、ロックが掛かっていただろうドアが開いて、奥へ進めるようになった。
エレベーターも広くて、しかもこれにもロックが掛かっているようだった。
エレベーター内も 絨毯が敷かれていて、私の家のマンションの倍ほどは広い。
手すりもついていて、どこかのホテルのエレベーターみたいだ。
中はこんなだったんだ・・・って私は感心してばかりだった。
流石、高級マンション。
何もかもが高級そう!
花菱先輩は当たり前のように、というか当たり前なんだろうけど、最上階、32階のボタンを押した。
やっぱり最上階なんだ。
それだけお金持ちなんだもんね。
私のタワーマンションの最上階のイメージは、夜景の見える中、ワイン片手に寛ぐ様子なんだけど、現実もそんな感じなのかな?
2、3、4、5、6、7、8・・・エレベーターはどんどん上へと上がっていく。
「やっぱりタワマンは違うねー。ここも花菱財閥の?」
え、まさか所有してるとか?
「今はもう財閥じゃなくてグループだよ。まぁ、一応ここも花菱グループが持ってるマンション。」
すごぉ!
マンション所有してるなんて初めて聞いたよ。
チン、と音がなって32階に着いた。
ゆっくり扉が開くと花菱先輩は歩きはじめる。
その通路を見て、私は違和感を覚えた。
・・・あ、表札に何も書いてないからだ。
名字も何も無く、真っ白。
誰も入っていないのかな。
最上階だし、値段も多分かなり高そうだし・・・、買い取ってくれる人が居ないとか?
「この階みっくんしか住んでないの?」
私の気持ちを代弁するように、ミヤさんが言った。
そう、それ、気になってたの。
「うん、ちょっと・・・。昔いろいろあって。」
「いろいろ?」
ミヤさんの言葉に花菱先輩は立ち止まる。
「ここがオレの家だよ。その話は・・・家入ってからしよう。」
その顔は微笑んでいたけれど、明るい虹彩に睫毛の影が落ちている。
声には取り繕えない憂いが混ざっていて・・・物凄く、綺麗だった。
絵になるってこのことだ。
まるで宮廷画家に描かせた1枚の絵画みたい。
ぼーっと見惚れていれば、ミヤさんが前に出る。
「言いたくなきゃ、言わなくてもいいよ?」
「いいよ。言う。気になるでしょ? とりあえず入って。」
花菱先輩が鍵を開けて、ドアを開いて待っている。
中、すっごい広い!
その玄関に入った私はキョロキョロとその空間を見回した。
私の住むマンションとは違って、玄関だけで1室みたい。
壁は石材で、フローリングもピカピカ!
柔らかい暖色のライトがおしゃれな雰囲気を出している。
家の香りなのかな、ふわりとクチナシの香りがした。
「靴こっちに置いて。」
花菱先輩がドアを引けば、中に沢山の靴の並べられた部屋があった。
「やっぱ花菱財閥が所有してるだけあるね。シューズインクローゼットも、マンションにしてはかなり広いじゃん。」
ミヤさんは当たり前の様に言ってるけど・・・もしかして、これがシューズボックス!?
私のマンションではちょこんと壁にくっついてるだけなのに、こんな広い部屋が全部靴を入れる為に作られたものだなんて・・・。
恐るべし、お金持ち・・・。