スクールアイドル防衛隊─通行人A子と弱虫王子―
言われるがままに靴を入れて、花菱先輩についていき廊下を歩く。
花菱先輩が扉を開けた先は――。
「うわぁ・・・!」
「おー、これはすごいねー!」
とても広いリビングだった。
壁が一面ガラス張りで外の景色を一望できる。
そして何より、リビングの中心に大きな水槽があった。
中には色とりどりの、宝石みたいに綺麗な熱帯魚が泳いでいる。
思わず近づいて、ぺたりと水槽に手をあてた。
「凄いでしょ。これ、兄さんの趣味なんだ。隣にアロワナも居るよ。」
「へえ、アロワナ。そういえば、圭佑さん熱帯魚凄い好きってインタビューで見たことあるかも。」
「これはベタで、これは・・・」と花菱先輩は魚の名前を教えてくれる。
どれもキラキラしていて、本当に綺麗・・・!
魚だけじゃなく、海藻も照明も彩り豊かで、花菱先輩のお兄さん、趣味いいなぁ!
「オレ、お茶いれてくるから、そこのソファにでも座って待っててよ。」
花菱先輩は台所らしい場所へ向かった。
すると、ミヤさんが話しかけてくる。
「それにしても、さすが、あのアイリーン・ヘップバーンの息子だよねえ。ルックス良し、センス良し、おまけにお金持ちなんて、そりゃあ周りの女の子は放っておかないでしょ」
「アイリーン・ヘップバーン?」
聞き返すと、「知らない?」って返ってくる。
「アメリカのハリウッド女優だよ。今も活躍してる。有名作は“リピート”とか。」
ハリウッド女優!
お母さんがそんな世界レベルの美貌を持つ人なら、息子の花菱先輩があんなに綺麗なのも頷ける。
「だけどこの感じ・・・あんまり親御さんとの仲は良くないのかもしれない。」
親御さんとの仲が良くない・・・?
どうしてそんなことが分かるんだろう。
「さっき見たんだよね、台所。調理器具も調味料も一切無くて、お皿も全然。多分圭佑さん料理しないんだろうね。親だったら、少しは子どもの食生活気にするじゃない? そういう親もいるかもしれないけどさ。それにリビングにも家族写真の1つも置かれてないし、圭佑さんインタビューでお母さんのこと聞かれても上っ面だけの答えだったし・・・後は、勘ってヤツ?」
なるほど、女の勘ってやつなんだね。
「みっくんは、人一倍恵まれた環境にいるけど、人一倍苦労してるんだよ。あの見た目のせいで、小等部の頃から風紀委員に出入りしてたし、花菱財閥の家系だから、周りからの期待も重いだろうし。」
はぁ、とミヤさんはため息をつく。
花菱先輩が扉を開けた先は――。
「うわぁ・・・!」
「おー、これはすごいねー!」
とても広いリビングだった。
壁が一面ガラス張りで外の景色を一望できる。
そして何より、リビングの中心に大きな水槽があった。
中には色とりどりの、宝石みたいに綺麗な熱帯魚が泳いでいる。
思わず近づいて、ぺたりと水槽に手をあてた。
「凄いでしょ。これ、兄さんの趣味なんだ。隣にアロワナも居るよ。」
「へえ、アロワナ。そういえば、圭佑さん熱帯魚凄い好きってインタビューで見たことあるかも。」
「これはベタで、これは・・・」と花菱先輩は魚の名前を教えてくれる。
どれもキラキラしていて、本当に綺麗・・・!
魚だけじゃなく、海藻も照明も彩り豊かで、花菱先輩のお兄さん、趣味いいなぁ!
「オレ、お茶いれてくるから、そこのソファにでも座って待っててよ。」
花菱先輩は台所らしい場所へ向かった。
すると、ミヤさんが話しかけてくる。
「それにしても、さすが、あのアイリーン・ヘップバーンの息子だよねえ。ルックス良し、センス良し、おまけにお金持ちなんて、そりゃあ周りの女の子は放っておかないでしょ」
「アイリーン・ヘップバーン?」
聞き返すと、「知らない?」って返ってくる。
「アメリカのハリウッド女優だよ。今も活躍してる。有名作は“リピート”とか。」
ハリウッド女優!
お母さんがそんな世界レベルの美貌を持つ人なら、息子の花菱先輩があんなに綺麗なのも頷ける。
「だけどこの感じ・・・あんまり親御さんとの仲は良くないのかもしれない。」
親御さんとの仲が良くない・・・?
どうしてそんなことが分かるんだろう。
「さっき見たんだよね、台所。調理器具も調味料も一切無くて、お皿も全然。多分圭佑さん料理しないんだろうね。親だったら、少しは子どもの食生活気にするじゃない? そういう親もいるかもしれないけどさ。それにリビングにも家族写真の1つも置かれてないし、圭佑さんインタビューでお母さんのこと聞かれても上っ面だけの答えだったし・・・後は、勘ってヤツ?」
なるほど、女の勘ってやつなんだね。
「みっくんは、人一倍恵まれた環境にいるけど、人一倍苦労してるんだよ。あの見た目のせいで、小等部の頃から風紀委員に出入りしてたし、花菱財閥の家系だから、周りからの期待も重いだろうし。」
はぁ、とミヤさんはため息をつく。