スクールアイドル防衛隊─通行人A子と弱虫王子―

捜査チーム結成!

 なぜか(わたし)はまた、風紀委員(ふうきいいん)部屋(へや)()ていた。

 しかも(わたし)(となり)(すわ)ってるのは花菱(はなびし)先輩(せんぱい)

「てなわけで、みっくんがストーカー被害(ひがい)にあってるから、その犯人(はんにん)をとっちめちゃおう!」

「おー!」

 ヒーロー先輩(せんぱい)天城(あまぎ)先輩(せんぱい)新崎(にいざき)先生(せんせい)同時(どうじ)右手(かたて)()()す。

 ・・・今回(こんかい)は、先生(せんせい)()れてこられたんじゃないんだよね。

 ミヤさんに、なんだ。

 (とき)数時間(すうじかん)(まえ)昼休(ひるやす)みに(さかのぼ)る。

 (わたし)食堂(しよくどう)でご(はん)()()えたあと、なんだか(みよう)視線(しせん)(あつ)まるなあって思ってたの。

 そうしたら、いきなり(うし)ろから花菱(はなびし)先輩(せんぱい)(こえ)をかけられたんだ。

相模(さがみ)、ちょっといい?」

 しかも(みんな)(まえ)で!

 ガラガラガラッと(わたし)平穏(へいおん)学園(がくえん)生活(せいかつ)(くず)れていく(おと)()こえるようだった。

 その事実(じじつ)にギョッとしていると、花菱(はなびし)先輩(せんぱい)はなんと! あろうことか(わたし)(となり)(すわ)って、親密(しんみつ)げに(かお)(ちか)づけてきたの!



 その()()つけられないほどに(ととの)った(かお)にクラッとしそうになりながら、精一杯(せいいつぱい)不自然(ふしぜん)にならないように(かお)(とお)ざける。

 本当(ほんとう)、この(ひと)(かお)破壊力(はかいりよく)すごいなぁ!

 顔面(がんめん)凶器(きようき)だ、もう。

 その(うえ)、ずっと(おも)ってたけど(ひと)との距離(きより)(ちか)いんだ。

 だから(たち)(わる)い。

 この()のファンクラブの(ひと)なら(たお)れちゃうんじゃないかなぁ。

 ・・・ありそうなのが(こわ)い。

 (わたし)は、表現(ひようげん)できる(なか)最大(さいだい)(こま)った(かお)をして、(こえ)(ひそ)めながら()う。

先輩(せんぱい)(わたし)恋人役(こいびとやく)はしないって()ったはずですよね・・・!」

恋人役(こいびとやく)? してないじゃん。」

 しかも無自覚(むじかく)! もっと(たち)(わる)い!

「それよりさ、ストーカー、()つかりそう?」

「まだ()すらつけられてません・・・。」

「そっかぁ。」と花菱(はなびし)先輩(せんぱい)(かた)()とす。

 (わたし)花菱(はなびし)先輩(せんぱい)小指(こゆび)()()らすと、たくさんの(いと)()びていて、やっぱり(くろ)(いと)もあった。

 その(くろ)(いと)(わたし)(うし)ろの(ほう)()びている。

 ()(かえ)れば、私達(わたしたち)遠巻(とおま)きに()ていた人達(ひとたち)()びていた。

 廊下(ろうか)(ほう)ではない。

 あれ、もしかして、この(なか)にいる・・・?
 
相模(さがみ)?」

 もっと()()らせば、その(いと)(だれ)かの小指(こゆび)にぐるぐると、(から)めとるかのように()びている。

 そして(なに)より、その(ひと)()()(くろ)だった。

 (おどろ)いて、()()らすのをやめてみれば、その()普通(ふつう)肌色(はだいろ)だ。

 (かお)()ようと(かお)をあげるけど、ちょうどその()(べつ)のところへ()かうときで、その()(なが)黒髪(くろかみ)(かく)れて()えなかった。

 タイミングが(わる)い。

 ()いかけようと()()がるけど。

相模(さがみ)!」

 花菱(はなびし)先輩(せんぱい)()ばれてハッとなった。
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