スクールアイドル防衛隊─通行人A子と弱虫王子―
まずい、話何も聞いてなかった。
「えっと・・・なんでですか?」
「話がある。じゃ、終礼するか! 日直ー!」
「起立! 礼!」
クラスメイトが口口に「ありがとうございました」と告げて終礼が終わった。
話があるって・・・えっと、私はどうすればいいんだろう。
机を下げて掃除の子以外は教室を出ていくけど、私はどうすればいいかわからなくて、少しウロウロしてから教卓の方へ向かう。
教卓には先生が立っていて、それを囲んで女子達が話しかけていた。
その中で1番輝いた目で話しているのが高橋さん。
彼女は私が初めて赤い糸を見た人だ。
最初の授業の日に、突然高橋さんの小指が赤く光り始めたから、凄い驚いたんだ。
その糸の先は、新崎先生。
高橋さんは、新崎先生に片思いしているみたい。
いわゆる禁断の恋ってやつだし、先生から糸が伸びていないから、きっとその恋は報われない。
だけど、そのキラキラした目や表情は恋する乙女って感じで、ちょっぴり可愛いな、とも思う。
私にはきっとできないし、恋をする気もないんだけどね。
だって、恋愛は人をバカにしてしまうって聞くもの。
その人のことが気になって、他の物に手がつけられなくなってしまうんでしょう?
恋愛をしてみたいと思うし憧れもある。
だけど私、勉強出来なくなったら困るもん。
高橋さん達の後ろに並んで先生を待った。
皆、いつもクラスの中心にいる子達だから、高橋さん達の話を遮って先生に話しかけるのはちょっと勇気がいる。
でも、ここでずっと待っていても掃除の邪魔になっちゃうよね。
高橋さん達の話に空白が生まれたとき、今だ、と思って声をかけた。
「あの、先生。私、どこで待っていればいいですか。」
「ああ、そうだなぁ・・・教室前で待っててくれ。掃除が終わったらすぐ行くから。」
私は言われるがまま廊下に出て、端の方で柱の近くに立って先生を待った。
目の前の子達はほうきを持って廊下を掃いている。
廊下でも掃除してるし、凄い肩身が狭いなぁ。
一体何の話をするんだろう。
まだ入学して五日しか経っていない。
何かトラブルをやらかした覚えも、何も無いんだ。
むしろかなり優等生に過ごしてきた記憶しかない。
何か他の子と変わったことといえば・・・。
気まぐれに、通りかかった男子の小指に目を凝らせば、細い赤い糸が結ばれている。
・・・この赤い糸が見えること?
だけど、赤い糸が見えるってことは誰にも、親にさえ話したことがないし、先生が知っているとも思えない。
だったら、私が特待生だっていうことかなぁ。
ここ、私立花園学園中等部は特待生制度を採用している。
なかなかなお金持ち学校だから、授業料とか凄い高いんだけど、特待生になると免除されるんだ。
つまりタダ!
私の家は貧乏ではないんだけど、お金持ちでもないから、この学校の高い授業料を払うのはちょっとお財布に痛いの。
・・・だけど、特待生について話すっていっても何だろう?
特待生免除・・・は無いだろうし、説明はもう受けたしなぁ。
「残るんだったら鍵、後で職員室に届けに来いよー! よし、じゃあ行こうか。」
掃除が終わったらしい先生が出てきて、こちらを目をやりながら言う。
それから、先生は私を先導する形で歩きだした。
「えっと・・・なんでですか?」
「話がある。じゃ、終礼するか! 日直ー!」
「起立! 礼!」
クラスメイトが口口に「ありがとうございました」と告げて終礼が終わった。
話があるって・・・えっと、私はどうすればいいんだろう。
机を下げて掃除の子以外は教室を出ていくけど、私はどうすればいいかわからなくて、少しウロウロしてから教卓の方へ向かう。
教卓には先生が立っていて、それを囲んで女子達が話しかけていた。
その中で1番輝いた目で話しているのが高橋さん。
彼女は私が初めて赤い糸を見た人だ。
最初の授業の日に、突然高橋さんの小指が赤く光り始めたから、凄い驚いたんだ。
その糸の先は、新崎先生。
高橋さんは、新崎先生に片思いしているみたい。
いわゆる禁断の恋ってやつだし、先生から糸が伸びていないから、きっとその恋は報われない。
だけど、そのキラキラした目や表情は恋する乙女って感じで、ちょっぴり可愛いな、とも思う。
私にはきっとできないし、恋をする気もないんだけどね。
だって、恋愛は人をバカにしてしまうって聞くもの。
その人のことが気になって、他の物に手がつけられなくなってしまうんでしょう?
恋愛をしてみたいと思うし憧れもある。
だけど私、勉強出来なくなったら困るもん。
高橋さん達の後ろに並んで先生を待った。
皆、いつもクラスの中心にいる子達だから、高橋さん達の話を遮って先生に話しかけるのはちょっと勇気がいる。
でも、ここでずっと待っていても掃除の邪魔になっちゃうよね。
高橋さん達の話に空白が生まれたとき、今だ、と思って声をかけた。
「あの、先生。私、どこで待っていればいいですか。」
「ああ、そうだなぁ・・・教室前で待っててくれ。掃除が終わったらすぐ行くから。」
私は言われるがまま廊下に出て、端の方で柱の近くに立って先生を待った。
目の前の子達はほうきを持って廊下を掃いている。
廊下でも掃除してるし、凄い肩身が狭いなぁ。
一体何の話をするんだろう。
まだ入学して五日しか経っていない。
何かトラブルをやらかした覚えも、何も無いんだ。
むしろかなり優等生に過ごしてきた記憶しかない。
何か他の子と変わったことといえば・・・。
気まぐれに、通りかかった男子の小指に目を凝らせば、細い赤い糸が結ばれている。
・・・この赤い糸が見えること?
だけど、赤い糸が見えるってことは誰にも、親にさえ話したことがないし、先生が知っているとも思えない。
だったら、私が特待生だっていうことかなぁ。
ここ、私立花園学園中等部は特待生制度を採用している。
なかなかなお金持ち学校だから、授業料とか凄い高いんだけど、特待生になると免除されるんだ。
つまりタダ!
私の家は貧乏ではないんだけど、お金持ちでもないから、この学校の高い授業料を払うのはちょっとお財布に痛いの。
・・・だけど、特待生について話すっていっても何だろう?
特待生免除・・・は無いだろうし、説明はもう受けたしなぁ。
「残るんだったら鍵、後で職員室に届けに来いよー! よし、じゃあ行こうか。」
掃除が終わったらしい先生が出てきて、こちらを目をやりながら言う。
それから、先生は私を先導する形で歩きだした。