スクールアイドル防衛隊─通行人A子と弱虫王子―
なんというか・・・怖いんだ。
初めてこんな対応されたってことも関係あるんだけど、さっきのお兄さん、私のこと敵視?みたいなのしてた気がするから、その時の様子が頭から離れない。
「・・・私は、相模 英子です。花菱先輩の後輩です。」
「へえ、後輩なんだ。ちなみにミツキって部活入ってなかったはずだけど、何のつながりでミツキと?」
「兄さん、やめろって!」
花菱先輩が苛立った様子で大きな声を出す。
初めて見る表情だった。
だって、花菱先輩って、おどおどしてたり、微笑んでたり、そんな顔しか見たことがなかったから。
意外だったんだ。
花菱先輩はその青緑の目を細め、睨むようにお兄さんを見る。
美人の怒る顔ってなんだか・・・迫力ある。
「・・・ごめんごめん。気になっちゃって。英子ちゃんも、気に障ったならごめんね? だけど、お兄ちゃんにも、もてなさせてくれよ。」
お兄さんは悲しそうな様子で謝ってくる。
その顔は花菱先輩に嫌われたくないって必死なような気がして。
花菱先輩のことが・・・かなり好きなんだなぁ。
過保護そうな感じもする。
そりゃあ、弟が誘拐とか監禁未遂だとかされればそうなるだろうけど・・・。
私はもう帰りたい気持ちで花菱先輩を見る。
花菱先輩は、しょんぼりとしたお兄さんの様子に、うっと睨むのをやめていた。
「・・・それなら兄さん、居てもいいけど、邪魔はすんなよ。」
釘を差すように言って、花菱先輩は私に向き直った。
「じゃ、兄さんは気にしないで入ってよ。」
花菱先輩は、ごめんねって書かれたような下がり眉の顔で言ってきた。
入る、のかぁ。
お兄さんの視線が痛い。
気にしないでって言われても、気になっちゃうよ。
でも、入る以外に選択肢は無さそうだったから、できる限りお兄さんと目を合わせないようにして玄関に入る。
靴を脱ぐと、お兄さんがウォークインクローゼット、だっけ?の扉を開いた。
「どうぞ。」
「あ、ありがとうございます。」
怖いなって思っていたけど、思ってた以上に親切だ。
やっぱり、悪い人ではないのかな・・・?
昨日と同じように靴を直して、またリビングへと案内してもらった。
リビングに入れば、昨日と同じクチナシの香りが優しく広がる。
大きな水槽の中に入った熱帯魚たちが、私を出迎えた。
「相模、とりあえず座って。ケーキ持ってくるから。」
花菱先輩の言葉に頷いて、言葉通り椅子に座った。
初めてこんな対応されたってことも関係あるんだけど、さっきのお兄さん、私のこと敵視?みたいなのしてた気がするから、その時の様子が頭から離れない。
「・・・私は、相模 英子です。花菱先輩の後輩です。」
「へえ、後輩なんだ。ちなみにミツキって部活入ってなかったはずだけど、何のつながりでミツキと?」
「兄さん、やめろって!」
花菱先輩が苛立った様子で大きな声を出す。
初めて見る表情だった。
だって、花菱先輩って、おどおどしてたり、微笑んでたり、そんな顔しか見たことがなかったから。
意外だったんだ。
花菱先輩はその青緑の目を細め、睨むようにお兄さんを見る。
美人の怒る顔ってなんだか・・・迫力ある。
「・・・ごめんごめん。気になっちゃって。英子ちゃんも、気に障ったならごめんね? だけど、お兄ちゃんにも、もてなさせてくれよ。」
お兄さんは悲しそうな様子で謝ってくる。
その顔は花菱先輩に嫌われたくないって必死なような気がして。
花菱先輩のことが・・・かなり好きなんだなぁ。
過保護そうな感じもする。
そりゃあ、弟が誘拐とか監禁未遂だとかされればそうなるだろうけど・・・。
私はもう帰りたい気持ちで花菱先輩を見る。
花菱先輩は、しょんぼりとしたお兄さんの様子に、うっと睨むのをやめていた。
「・・・それなら兄さん、居てもいいけど、邪魔はすんなよ。」
釘を差すように言って、花菱先輩は私に向き直った。
「じゃ、兄さんは気にしないで入ってよ。」
花菱先輩は、ごめんねって書かれたような下がり眉の顔で言ってきた。
入る、のかぁ。
お兄さんの視線が痛い。
気にしないでって言われても、気になっちゃうよ。
でも、入る以外に選択肢は無さそうだったから、できる限りお兄さんと目を合わせないようにして玄関に入る。
靴を脱ぐと、お兄さんがウォークインクローゼット、だっけ?の扉を開いた。
「どうぞ。」
「あ、ありがとうございます。」
怖いなって思っていたけど、思ってた以上に親切だ。
やっぱり、悪い人ではないのかな・・・?
昨日と同じように靴を直して、またリビングへと案内してもらった。
リビングに入れば、昨日と同じクチナシの香りが優しく広がる。
大きな水槽の中に入った熱帯魚たちが、私を出迎えた。
「相模、とりあえず座って。ケーキ持ってくるから。」
花菱先輩の言葉に頷いて、言葉通り椅子に座った。