スクールアイドル防衛隊─通行人A子と弱虫王子―
「風紀委員?」
思わず聞き返してしまった。
この体育会系で真面目そうな先輩はともかく・・・このミヤさんとかはむしろ風紀乱す側じゃないの?
だって、服装これだし、ジャラジャラだし・・・。
すると、待っていましたと言わんばかりに、先生は少し身を乗り出して、話を続ける。
「よくぞ聞いてくれた!」
聞かなきゃよかった、そう思った。
「見ての通り、この学校は服装に関して、そこまで厳しくない。むしろかなり緩いと言っていい。コイツみたいに・・・。」
先生がミヤさんを指差せば、ミヤさんはニッと笑ってピースする。
「ガチガチにキメていても、ちゃんとしたイベントの日さえしっかりしていれば文句一つ言われない。」
「・・・まぁ、そうですね。」
そう、なんだけど・・・うーん、風紀委員にその服装取締以外の仕事って何かあるのかな。
小学校の時は服装と・・・あと校門で挨拶とか?
それぐらいな気がする。
先生は、まるで劇場にでも出ているかのように、演技がかった様子で話を続ける。
「だけど服装以外に、もーっと大事な仕事が存在する。」
もーっと大事な仕事って・・・さっき思いついた挨拶、とか?
でもそれ、そこまで大事かなぁ。
「この学校の美形達、通称スクールアイドルと一般生徒のトラブルを防ぐ・・・まぁ有り体に言えば、スクールアイドルの護衛をすることだ!」
「・・・はい?」
思わず口から出ていた。
何、それ?
スクールアイドル? 護衛?
ふざけたような仕事内容に、口がぱかっと開きっぱなしになってしまう。
今の私はきっと、凄いアホ面をしているんだろうな。
そんな私にお構いなしに、先生は話を続ける。
「この学園は、日本でも有数の生徒数を誇るのは知ってるよな?」
ここ、私立花園学園は、小等部、中等部、高等部、全校生徒合わせて一万人を超える、日本でもトップクラスの超マンモス校だ。
その上、かなりの名門だから、全国から頭の良い生徒達が集まって、これからの社会の中枢を担う人材に成長していく。
だから私も、自分の夢を叶えるためにここに来た。
「うちの学校はその上、多くが東大など名門大学に進学する進学校だ。だから、いわゆる財閥の御曹司や芸能人も多く在籍する。」
それは知っているけど・・・。
「そんな大量の生徒達のいる中、今後の社会を担うエリート、その上、俺みたいな美形を放り込んだらどうなる?」
一言余計だけど、なんとなく分かった。
「・・・風紀が乱れる。」
「セーカイ!」
私がボソリと呟いた言葉にミヤさんはポニーテールを揺らしながら、マルを作った。
「だーかーらっ、オレ達の出番ってワケ! ね、にーちゃんセンセ!」
「そうだ。で、これが資料な。」
先生は指先でコツコツとファイルを突いて注目させてから、それを開いた。
思わず聞き返してしまった。
この体育会系で真面目そうな先輩はともかく・・・このミヤさんとかはむしろ風紀乱す側じゃないの?
だって、服装これだし、ジャラジャラだし・・・。
すると、待っていましたと言わんばかりに、先生は少し身を乗り出して、話を続ける。
「よくぞ聞いてくれた!」
聞かなきゃよかった、そう思った。
「見ての通り、この学校は服装に関して、そこまで厳しくない。むしろかなり緩いと言っていい。コイツみたいに・・・。」
先生がミヤさんを指差せば、ミヤさんはニッと笑ってピースする。
「ガチガチにキメていても、ちゃんとしたイベントの日さえしっかりしていれば文句一つ言われない。」
「・・・まぁ、そうですね。」
そう、なんだけど・・・うーん、風紀委員にその服装取締以外の仕事って何かあるのかな。
小学校の時は服装と・・・あと校門で挨拶とか?
それぐらいな気がする。
先生は、まるで劇場にでも出ているかのように、演技がかった様子で話を続ける。
「だけど服装以外に、もーっと大事な仕事が存在する。」
もーっと大事な仕事って・・・さっき思いついた挨拶、とか?
でもそれ、そこまで大事かなぁ。
「この学校の美形達、通称スクールアイドルと一般生徒のトラブルを防ぐ・・・まぁ有り体に言えば、スクールアイドルの護衛をすることだ!」
「・・・はい?」
思わず口から出ていた。
何、それ?
スクールアイドル? 護衛?
ふざけたような仕事内容に、口がぱかっと開きっぱなしになってしまう。
今の私はきっと、凄いアホ面をしているんだろうな。
そんな私にお構いなしに、先生は話を続ける。
「この学園は、日本でも有数の生徒数を誇るのは知ってるよな?」
ここ、私立花園学園は、小等部、中等部、高等部、全校生徒合わせて一万人を超える、日本でもトップクラスの超マンモス校だ。
その上、かなりの名門だから、全国から頭の良い生徒達が集まって、これからの社会の中枢を担う人材に成長していく。
だから私も、自分の夢を叶えるためにここに来た。
「うちの学校はその上、多くが東大など名門大学に進学する進学校だ。だから、いわゆる財閥の御曹司や芸能人も多く在籍する。」
それは知っているけど・・・。
「そんな大量の生徒達のいる中、今後の社会を担うエリート、その上、俺みたいな美形を放り込んだらどうなる?」
一言余計だけど、なんとなく分かった。
「・・・風紀が乱れる。」
「セーカイ!」
私がボソリと呟いた言葉にミヤさんはポニーテールを揺らしながら、マルを作った。
「だーかーらっ、オレ達の出番ってワケ! ね、にーちゃんセンセ!」
「そうだ。で、これが資料な。」
先生は指先でコツコツとファイルを突いて注目させてから、それを開いた。