憎んでも恋しくて……あなたと二度目の恋に落ちました
番外編 迷子のおじちゃん
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ふたりが入籍して一年経たない頃に、直哉が再びスタンフォードへ行くことになった。
由美としては寂しかったが、以前と違ってきちんと彼の妻になっている。
だから今回も気持ちよく送り出してあげたかった。
一緒に行くという選択肢もあったが、由美は立花診療所の仕事があるから長期に休みを取るのは難しい。
「ごめん由美、なるべく早く帰ってくるから」
そう言って、直哉はサンフランシスコへ飛び立った。
ーーそれから三年が過ぎた。
春の彼岸が近い土曜日、立花診療所に可愛らしい声が響いた。
「こんにちは!」
「あれ、とも子ちゃん。お母さんと一緒に蒼太くんのお迎え行ってくれたんじゃなかったかな?」
受付の明子が顔を覗かせてとも子を迎えた。
「うん、行ったよ。でもね、迷子のおじちゃん拾ってきたの」