憎んでも恋しくて……あなたと二度目の恋に落ちました
「そ、そんなに悪いんですか?」
おっとりとした雰囲気の母親だったが、突然の成り行きに慌てているようだ。
「お母さん、とも子さんは来年春から小学校ですよね。入学する前にきちんと調べておくことをおすすめしたいんです」
なるべく安心させるように話をしたが、母親はまだ不安げだ。
「あちらにはもっと詳しく検査できる設備が整っていいますから、病状を確認しましょう」
母親に今日のデータを見せて説明したあと、病院へ連絡を入れた。
急な依頼だったが、義兄の克実がたまたま翌日の午後空き時間があるからと診察を引き受けてくれた。
「明日なら私も病院に勤務しています。一緒に心臓の専門医のところに行きましょう」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
母親は由美も病院にいる日だと話すと、やっと安心した表情を見せた。