憎んでも恋しくて……あなたと二度目の恋に落ちました
進んだ医学を学ぶためとはいえ、羨ましいほど恵まれた環境だ。
タクシーに乗ってから30分くらいで、目的の家が見えてきた。
広い芝生の前庭のある水色の外壁の家で、いかにもサンフランシスコらしい明るい雰囲気の建物だ。
この家を医大生や医師ら多国籍の四人でシェアして住んでいると聞いている。
玄関の前に立った由美は、チャイムを鳴らすとドキドキしながら彼が顔を見せるのを待った。
だが白いドアを開けて姿を見せたのは、素肌にシルクのタンクトップを着ただけの豊満な美女だった。
背が高い女性だから、顔は由美の身長では見上げる位置にある。
ブルネットの長い髪をかきあげる仕草がさまになる知的で美しい人だった。
胸が由美の視線の先にあり、その豊かさは同性から見ても驚くばかりだ。
ツンと形がよくて、張りもある。
「だれ?」
「あ、ナオヤ・ツゲを尋ねて来たのですが、彼はいますか?」
背の高い美女はスーツケースを持った由美を怪訝な顔で見下ろしている。
由美も直哉から女性の同居人がいるとは聞いていなかったので緊張してきた。