憎んでも恋しくて……あなたと二度目の恋に落ちました
「ナオヤ?」
彼女が部屋の中を振り返ったので、つられて由美も視線を彼女の奥に移した。
すぐ後ろに見えたリビングルームは、散らかっていた。
昨夜のパーティーの後なのかコップやお皿が散乱しているし、お酒のビンも何本か転がっているのが見えた。
(直哉さん、昨夜はここでパーティーだったのかな)
家の中は、お酒とタバコと香水の混ざった匂いがしているようだ。
直哉はまだ寝ているのだろうかと思うと、胸がざわついて不安になってきた。
「ちょっと、待ってて」
ドアを開け放したまま、女性が奥に声をかけながら入っていった。
タンクトップの下はショーツだけなのだろうか、長い足がよく見える。
「ナオヤ~?」
とても甘えた声で、親しそうな呼び方だ。
そのまま奥の部屋に入ったのか、彼女の姿が見えなくなってしまった。
照明がついていないし、カーテンを閉め切っているので中は薄暗い。
無断で家の中に入るのがためらわれたので、ドアを開け放したまま由美は明るい入り口で待っていた。
しばらくすると、男女の声が聞こえてきた。
シルエットから先ほどのタンクトップの美女と直哉だとすぐにわかった。
声をかけようとしたのだが、由美は息が止まるかと思った。
直哉は半裸だったのだ。
寝ぐせのついたボサボサの髪、下半身にはショートパンツだけ。
美女が寄り添って、彼に話しかけたり髪を整えようとしたりしている。
とても親し気で、由美よりもっと親密な関係に見えたほどだ。
そのうち、彼女が直哉の首に抱きついて熱烈なキスをし始めた。