憎んでも恋しくて……あなたと二度目の恋に落ちました
「由美さんもどうぞ召し上がれ」
「ありがとう、五月さん。いただきます」
由美が美也子の横の席に座ると、五月が昼食を並べてくれた。
今日のメニューは五月が自慢の特製とろろご飯だ。
とろろと大葉とはちみつ梅の相性が抜群で、ワサビを利かせるとなお美味しい。
男性陣は温泉卵も混ぜ合わせて、二杯目を食べている。
食事を食べ終えた美也子は、デザートの抹茶アイスにご機嫌だ。
「それで、私になんのご用でしょうか?」
由美が感情を抑えた声で尋ねても、はっきり答えてくれない。
「ちょっと話したいことがあって」
今さら話し合う必要もないだろうに、直哉は物憂げな表情を見せる。
「由美さん、午後は仕事がないでしょう? 柘植先生とゆっくりしてきたら?」
五月が気を回したのか、出かけることを由美に勧めてきた。
男性が由美を訪ねてくるなんて初めてのことだから、家の外でゆっくり話した方がいいと思ったのだろう。
「いえ、私は……」
「そうだよ、由美先生。今日くらい休まないと」