グリーンピアト物語~命を紡ぎ愛を紡ぐ奇跡~

 イディアはメイシスが亡くなってから、ずっとジュニアールに言い寄って来て結婚を迫っていた。
 誰とも再婚しないと言って断っていて、暫く現れなくなったと思っていたが、最近お城の周りをウロウロしていると情報が入っていた。
 
 ジュニアールが退院して来た時、突然現れて飛びついてキスをされたのだった。

 意味深な笑みを浮かべていたが、まさかこんな事をするとは…。

「許可もなくこのような記事を掲載するとは、直ぐに出版社に取り合って下さい」
「かしこまりました」

 ブッドルは足早に出て行った。

 ジュニアールはハッとなった。
 この雑誌はすでに販売されている、だとするとセシレーヌも見ている可能性がある。

 これを見たら…。

 ジュニアールは傍にある携帯電話を手に取り、国立病院へ電話をかけた。
 
 国立病院へ電話をして、セシレーヌを呼び出してもらおうとしたがきんきゅうかんじゃ対応中で取り次いでもらえなかった。

 直接行ってみようと考えたが、お城の周りには報道関係者らしき人物が待ち構えているのが見え動けなかった。

 セシレーヌの事が心配ではあるが、この記事を流したイディアにも事実確認をする必要がある…。

 

 ブッドルが出版社の対応が終わり戻ってきて、イディアの屋敷に向かう事にした。


 
 イディアの家は貴族でも一番のお金持ちと言われているが、党首は早くに亡くなり母親は現在病気で臥せっていて療養施設にいる為、一人娘のイディアしかいない状態である。
 使用人が身の回りの世話をしているが、イディアは我がままでいつも無理ばかり言ってるようだ。 
 
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