グリーンピアト物語~命を紡ぎ愛を紡ぐ奇跡~
迫ってくる人
翌日。
穏やかな一日を迎えられると思える、そんな日だった。
また雑誌にイディアが記事を掲載させていた!
その内容は
国王様の子供を妊娠しました! と、イディアのコメントが掲載された婚約内定、現在妊娠6週目と書かれている記事だった。
結婚を報じる記事は事実無根であると、ブッドルが出版社に抗議してすべて回収されその噂も消えつつある時だったが、再びイディアが掲載させた妊娠報告。
ここまでやられてしまっては、沈黙を通してきたジュニアールも黙っていられなくなってきたと思った。
執務室で雑誌を見せられたジュニーあるは、怒りよりもここまでデタラメな記事をでっちあげられるイディアの精神状態を疑った。
「ブッドル。とりあえず、文章にて事実無根である事を国民に報告します」
「畏まりました」
「この診断を下したのは、国立病院ですね? 誰が担当なのか、調べて下さい」
「はい、承知しました」
ブッドルが去った後、ジュニアールは少し考えこんでいた。
結婚報道にしても、妊娠報道にしても、ここまで何故暴走しているのだろうかと…。
メイシスと結婚する前から、イディアはつきまとって来ていた。
早くに両親を亡くして一人で屋敷に住んでいると、いつも言っていて寂し故に付きまとているのかと思っていたが、少し相手をすると勝手な思い込みで付き合っていると言い出し、結婚が決まったと周りに言いふらしていたイディアに意見を感じて城への出入りを禁止した。
メイシスと結婚が決まってから暫く音沙汰がなかったが、ミディスが産まれてからちょくちょくと城の付近で見かけると言われていた。
メイシスが亡くなり暫くすると、偶然の装ってやってくることもあったイディア。
退院してきた日は、いつの間にか城に入り込んでいて突然現れ不意打ちのキスをされ、それを写真に撮られてしまった。
これは愛ではなく執着である事は、ジュニアールも感じている。