グリーンピアト物語~命を紡ぎ愛を紡ぐ奇跡~

 慎重に検査を行った結果…。

「なるほど…」

 検査結果の書類を見ると、クラウドルは納得した。

 
 血液検査の結果。
 イディアのお腹の子供は、トワイヤルの子供である事が判明した。
 
 恐らく看護師達が噂をしていた事が本当なのだろうと、クラウドルは確信した。


 
 事実を確信したクラウドルは先ずジュニアールに、その事を話す事にした。


 ミディスの付き添いで病院に来ていたジュニアールを、院長室へ呼んで事実話したクラウドル。

「そうでしたか、その事実が明らかになれば私も安心です」
「はい。報道は偽造であると公開してもらっていますが、まだ疑惑が残っておりますので早めにこの事実も公表した方がいいと思われます」
「はい、その辺りはお任せします。ですが、とても心配な事があるのですが」
「なんでしょうか? 」

「いえ、先日。トワイヤル先生が、セシレーヌ先生にとてもしつこく着きまとっておられましたので」
「その事でしたらご心配なく。トワイヤル医師には、この病院を辞めてもらう事になります。事が事ゆえに、法で罰せられることになると思いますので」
「そうですか…」

「おそらく、イディア令嬢に関しても法的処置がなされる事でしょう。ここまで、王室に対しても侮辱されておりますので国外追放にもなりかねません」
「とても残念な結果ではありますが。これ以上、傷つく人を増やしたくはありませんからね」

 一息ついて、ジュニアールはそっと席を立って窓際に歩み寄った。

「あの…。セシレーヌ先生は、お元気ですか? 」

 尋ねられると、クラウドルはちょっとギクッとした目を浮かべた。

「娘が入院しているので、お会いする事もあるのではないかと思っていましたが。一度も、お会いする事がありませんので。少し、心配しております」
「大丈夫ですよ、元気ですから。外科と心臓外科では、場所が随分と違いますから。なかなか会うことができないだけですよ」
「そうですか、それならいいのですが。何となく、セシレーヌ先生が遠くにいてしまうような気がしたので…」

 クラウドルはジュニアールの勘の鋭さにギクッとした。
 セシレーヌからは誰にも何も言わないでほしいと口止めされている…。
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