グリーンピアト物語~命を紡ぎ愛を紡ぐ奇跡~
「お父さん、お帰りなさい」
「ただいま、ミディス」
「お帰りさない、あなた」
「ただいま、セシレーヌ」
セシレーヌの腕からジャディスを受け取り、もう片方の手でひょいとシャルを抱きかかえたジュニアール。
ジャディスもシャルロもジュニアールの腕の中で、大喜びで笑っている。
無事に2人の皇子が産まれて来てくれて、グリーンピアトも安泰している。
今のところ、シャルロもジャディスも心臓に異常は見られずとても元気である。
このまますくすくと育ってほしいと願っている。
「ねぇ、ねぇお姉ちゃん」
ミディスは人前ではセシレーヌの事を「お母さん」とよんでいるが、家族だけの時は「お姉ちゃん」と呼んでいる。
ミディスにとってはセシレーヌは母親であるが、お姉ちゃん的な存在である為、お姉ちゃんと呼び続けているのだ。
ミディスがセシレーヌの傍にきて、ニコっと笑った。
「お姉ちゃん。私ね、妹が欲しいなぁ」
「え? 」
「だって、男の子もいいんだけど。女の子だと、一緒に遊べるから」
「そうね。考えてくわ」
ヨシヨシとミディスの頭を撫でたセシレーヌ。
実はセシレーヌは、子供を産むのはこれが最後だと医師から言われている。
心臓移植をしている事から、双子を出産する事もかなり危険かもしれないと言われたが、シャルロもジャディスも2700gと小さかったため、なんとか自然分娩で産むことができたがこれ以上の出産は心臓に負担がかかり危険だと判断され、シャルロとジャディスを産む事が最後と言われた。
子供は好きで沢山産みたいのはあるが、周りを心配させたり、危険な状態で出産するのは良くないと判断している。
このことはジュニアールも知っていて、一度に2人も来てくれただけでも感謝いっぱいだと言って、この先は子供を望んではいない。
ミディスも妹が欲しいとは言っているが、そのうち解ってくれるだろう。
紡がれた命から愛が紡がれ、永遠の絆が産まれた。
愛を鎮魂して新しい家族と共に歩いてゆくこの先には、どんなも物語が待っているのだろう?
シャルロとジャディスが作り出す物語。
それを一緒に手伝うのは、あなたです。
グリーンピアト物語~命を紡ぎ愛を紡ぐ~END