最強幼女のお助け道中〜聖女ですが、自己強化の秘法の副作用で幼女化してしまいました。神器破城槌を振り回しながら、もふもふと一緒に旅を続けます〜
残りのお金は、ザードが管理してくれている。
そんななけなしのお金も、つい最近全額使ってしまった。
万が一の時にと服の間に隠していた虎の子も全てだ。
巻物を売ろうとした商人は、私の全所持金を知って、哀れみの表情を向けていたのを覚えている。
しかし、ありったけの金額を手渡すと、快く私に強化の秘法が書かれた巻物を譲ってくれたのだった。
「あ! そうだ……商人よ。あの商人も探さなきゃ。見つけてこの身体のことを問いたださないと!」
私がそんなことを思っていると、私の肩が優しく叩かれた。
思考から現実に引き戻され、目線を上げると、そこには笑顔を作った女性が一人。
「この子ですね? 迷い子というのは」
「ええ。お金も持ってないみたいです。ただ、親がいなくて一人だなんて言っていたから、家出かもしれません」
女性は私の両肩に手を乗せたまま、首だけ動かしカンロアメを売っているおにいさんの方を向き、そんなことを言った。
それに答えるおにいさんの発言に、私はさっきよりも顔が青ざめたのを感じた。
「大丈夫よ? 怖かったわね? お姉さんと、いい所に行きましょうか?」
「あ、あの……私、そういうんじゃなくて……」
「あら? 本当に迷い子じゃなくて、家出? どちらにしろ一緒に行きましょう。お家の人が探しているかもしれないわ。ねっ?」
「え、あ、あの!」
私はなにか言おうとしても、おねえさんは首を横に振り、私の手を取りずんずんと進んでいく。
私はどうしようか本気で悩んだ。
このままおねえさんの手を振りほどくのは簡単だ。
だけど、そうしても事態はなんの改善を見せない。
私は……いかにおねえさんにカンロアメをご馳走してもらうかを、ひたすらに考えていた。
そんななけなしのお金も、つい最近全額使ってしまった。
万が一の時にと服の間に隠していた虎の子も全てだ。
巻物を売ろうとした商人は、私の全所持金を知って、哀れみの表情を向けていたのを覚えている。
しかし、ありったけの金額を手渡すと、快く私に強化の秘法が書かれた巻物を譲ってくれたのだった。
「あ! そうだ……商人よ。あの商人も探さなきゃ。見つけてこの身体のことを問いたださないと!」
私がそんなことを思っていると、私の肩が優しく叩かれた。
思考から現実に引き戻され、目線を上げると、そこには笑顔を作った女性が一人。
「この子ですね? 迷い子というのは」
「ええ。お金も持ってないみたいです。ただ、親がいなくて一人だなんて言っていたから、家出かもしれません」
女性は私の両肩に手を乗せたまま、首だけ動かしカンロアメを売っているおにいさんの方を向き、そんなことを言った。
それに答えるおにいさんの発言に、私はさっきよりも顔が青ざめたのを感じた。
「大丈夫よ? 怖かったわね? お姉さんと、いい所に行きましょうか?」
「あ、あの……私、そういうんじゃなくて……」
「あら? 本当に迷い子じゃなくて、家出? どちらにしろ一緒に行きましょう。お家の人が探しているかもしれないわ。ねっ?」
「え、あ、あの!」
私はなにか言おうとしても、おねえさんは首を横に振り、私の手を取りずんずんと進んでいく。
私はどうしようか本気で悩んだ。
このままおねえさんの手を振りほどくのは簡単だ。
だけど、そうしても事態はなんの改善を見せない。
私は……いかにおねえさんにカンロアメをご馳走してもらうかを、ひたすらに考えていた。