最強幼女のお助け道中〜聖女ですが、自己強化の秘法の副作用で幼女化してしまいました。神器破城槌を振り回しながら、もふもふと一緒に旅を続けます〜
 ドヤ顔を作り、言い放った私に、モーブは少し困った顔をしながら、質問を投げかけてくる。

「えーっと……つまり。戦神様が、広範囲にいる町人たちに、一斉に回復魔法を唱えられる、と、そういう訳ですかな?」
「うん。だから、そう言ったじゃない」

「戦神様は回復魔法もお使いになられるので?」
「あ! そうか。町長さんには言ってなかったけど、私、元々慈母神マーネス様の聖女だから!」

 胸を反らし自慢げに立つ私に、何故かモーブはどんどん困惑の色を強めていっている気がする。
 あ、これは私の言っていることを信用していない顔だ。

 そういうの、私、すーぐ分かっちゃうんだから。
 今までの何度もこういう表情をする人を見てきたのは、伊達じゃないんだからね。

「いいわ。とにかく! 今から使うから。実際に体験した方が手っ取り早いでしょう? それで。もし、隣のブレ……じゃなかった。勇者一行に何か聞かれたら、町の人のために私が使ったって説明してね。いい? ブ……じゃない! 勇者の為じゃなくて、町の人のためにだからね!」
「は、はぁ……左様で……」

< 49 / 94 >

この作品をシェア

pagetop