何度だってキミに、好きを届けたくて。
「莉緒ちゃん! あ、ごめん。もしかして、着替えるの待っていてくれたの?」

「当たり前じゃんっ」



そう言ってにこっと笑ってくれるのは、私の大切で大好きな友達。

私が筆箱を落としたから、ジャージに着替えるのが遅くなっちゃたよね。

ごめん、と謝ると、莉緒ちゃんは首をぶんぶん横に振った。



「それより、伊吹くんと話せてたじゃん! 良かったねっ」

「莉緒ちゃん、声が大きいよ……っ」

「え、あー。じゃあ、歩きながら話そう!」



莉緒ちゃんの言葉に、私たちはジャージをロッカーから取り出して、更衣室に向かった。

廊下を歩いている途中、ずっと莉緒ちゃんからの質問攻めだった。


莉緒ちゃんは私の恋事情を知っている唯一の人。

恋バナ友達でもある。

莉緒ちゃんは行きつけの喫茶店の店員さんに片思い中なんだって。

っていっても、私はあまり口数も多くないから、これが恋バナなのかも分からないけど……。

恋バナをするような友達も初めてだから。

嬉しい気持ちは大きいけどね。
< 10 / 187 >

この作品をシェア

pagetop