何度だってキミに、好きを届けたくて。
莉緒ちゃんを早く見つけたい。

私だって春佳くんのことが好きだから、愛美さんの恋は応援できない。

でも、この話を終わらせるには『応援する』って言うしかないのかな?


どうしよう。

困った私の脳裏に浮かんだのは、春佳くんの太陽みたいな笑顔だった。


……春佳くん。

春佳くんだったら、この状況でなんて言う?


その答えはすぐに出た。

……きっと、春佳くんのことだから。



「ごめん。私は愛美さんの恋を応援できないの。えっと、今、急いでいるからっ」



私は愛美さんの手をそっと離して、屋上へと続く階段を駆けあがった。

春佳くんだったら。

自分の気持ちを偽りなく言うと思ったから。

たとえ相手を傷つけてしまう結果になるかもしれないとしても。


私が春佳くんに告白したときもそうだったから。

告白を断るって勇気が必要だと思うけど、それでも春佳くんは私から逃げることなくちゃんと断ってくれた。


私、思ったことをちゃんと言葉にできたよ……っ。



そのとき、私は気づかなかった。

愛美さんが私の背中を睨み、舌打ちしていたことを……。
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