何度だってキミに、好きを届けたくて。
「乃亜。……離れて」

「っ、」

「これじゃあ、話したくても話せないでしょ」



そう言って莉緒ちゃんは、莉緒ちゃんのお腹に回している私の手を掴み、そっと降ろした。

ゆっくりと振り返る莉緒ちゃん。

私の目にも、莉緒ちゃんの目にも涙が浮かんでいた。

莉緒ちゃんは少し呆れたような笑顔を私に見せた。


ガシャン、とフェンスに背中を預ける莉緒ちゃん。

私も真似して莉緒ちゃんの隣に並んで、フェンスに寄りかかる。



「私が怒った理由はね。乃亜が作文と私を比べたからだよ」

「それは、」

「乃亜が私を大切に想ってくれていることは嬉しい。だけど、私だって乃亜を大切にしている。乃亜が頑張ろうとしている作文も大切にしたい」

「っ、」



莉緒ちゃんは私に半泣き状態の笑顔を浮かべた。

目に浮かんだ涙は、太陽の光に当たってキラキラしていた。
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