何度だってキミに、好きを届けたくて。
『私と関わると、色々言われちゃうかもよ……』

『言いたい奴には言わせておけばいいじゃん! 私は伊織さんと話してみたかったから、声かけたんだから。他人の声なんて気にしなくていいの!』



莉緒ちゃんは空いていた隣の席に座り、机をピタッとくっつけた。

質問攻めをされる私。


どうやったら原稿用紙3枚も書けるの?

作文のタイトルってなにがいいかな?



『書きたい内容ってどうやって思いつくの?』



あのときの莉緒ちゃんの言葉が、笑顔が私に向けられているような気がした。


……あれ?

私は莉緒ちゃんになんて答えたんだっけ。

記憶の中の私が莉緒ちゃんの原稿用紙を指さしながら、口を開く。



『いっぱい行動して、書きたい内容を膨らませるんだよ』



……そうだ。

いっぱい行動したら作文を書けるよ、って莉緒ちゃんに伝えたんだ。

その言葉が今、私に返ってきている。
< 106 / 187 >

この作品をシェア

pagetop