何度だってキミに、好きを届けたくて。

届けたい想いたち。

放課後。

私は事前に春佳くんに『今日は莉緒ちゃんと喫茶店に行くからランニングできない』と伝えた。

春佳くんは『瀧本さんと仲直りできたならよかった』と自分のことのように喜んでくれた。

そんな春佳くんは本当に優しくて温かい人。


そんな話もしながら、駅前で待ち合わせた私服姿の私と莉緒ちゃん。

水色のワンピースに身を包んだ莉緒ちゃんに案内されて喫茶店に着く。



「わぁ……。おしゃれだね」

「でしょっ! レトロな雰囲気が好きなの。知っている人だけが知っている穴場みたいな感じなんだよ!」



語ってくれる莉緒ちゃんは興奮状態だった。

本当にこの喫茶店が好きなんだな、と思う。

私たちはドアを引いて店内に入った。

ドアを開けると、カランと、優しいベルの音がした。



「いらっしゃいませ。2名様ですか……、って、莉緒ちゃん。今日も来てくれてありがとう」

「市川さんっ。今日は親友と一緒に」



莉緒ちゃんが”市川さん”と呼ぶ彼。

この人が莉緒ちゃんの好きな人なんだ……!

清潔感があって爽やかな人だなぁ。

顔も整っていてイケメンって感じで、モテそうだな。

笑顔を浮かべたときの、くしゃっとなる笑顔も素敵。

莉緒ちゃんが好きになるのも納得。
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