何度だってキミに、好きを届けたくて。
「伊吹くんって、乃亜のこと特別扱いしてるよね」

「えっ、そんなことないよっ」

「そんなことあるよ! 乃亜のことだけ名前呼びだしさ!」

「そ、それは……っ」



なんでなんだろうねぇ。

と、ひとりで思考をめぐらし考えている莉緒ちゃん。


春佳くんが私のことを名前で呼んでくれる理由……。

それは……。



「お、伊織。いいところにいた!」



歩いていると後ろから突然名前を呼ばれ、思わず振り返る。

そこに立っていたのは、熱血担任教師、氷室先生だった。

氷室先生の名前からして冷たそうな感じなのかな、って最初は思ったけれど、意外と生徒思いの熱い先生だった。
< 11 / 187 >

この作品をシェア

pagetop