何度だってキミに、好きを届けたくて。
「了解、今行くー。乃亜、またあとでな」



そう言って春佳くんは席を立ち、愛美さんのもとへ走って行った。

近づいたふたりを見て、心が重くなる。


わざわざ、うちのクラスまで来てなんの用だろう?

部活じゃ話せないようなこと?

それに、教室を出ていくとき、愛美さんは春佳くんの腕に自分の腕を絡ませていた。


本当に仲が良いんだな……。



「伊織。大丈夫か?」

「あ、うん。なんでもない」

「そっか。無理するなよ」



眞尋くんは立ったままの私の頭をぽんぽん、と撫でた。

突然の行動に目を見開く私。


前回は気のせいだと自分で思っていたけど。

今回は気のせいじゃない。

眞尋くんは優しい笑顔で私の頭を撫でている。

今も撫でることをやめてくれない。



「ま、眞尋くん……?」

「伊織ってチワワみたいだよな」

「チワワって犬の?」

「他に何がある?」



確かにチワワと言われたら犬だけど……。

でも、私って犬みたいに見えるのかな?
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