何度だってキミに、好きを届けたくて。

「め、珍しいなっ。眞尋が女の子に触れるなんて」

「伊織は特別だからな」

「っ、！　俺にとっても乃亜は、」

「こいつの告白を断った奴がなにを言ってんだ」

「……っ、」



私たちにだけしか聞こえない会話。

春佳くんと眞尋くんが睨み合っている。

しかも、眞尋くん、私のこと”特別”って言った……。


それはどういう意味？

春佳くんも……。

『俺にとっても乃亜は、』って、その続きはなんだったの……？


どうしていいのか分からない私はふたりを見守るしかできなくて。

どちらが先に口を開くのか私はハラハラしながら見つめていた。


先に口を開いたのは春佳くんだった。



「……ごめん。そうだよな。俺、乃亜を傷つけておいて調子よすぎるよな」



そう言った春佳くんは悲しげに笑った。


私、傷ついてない。

そりゃ、振られたときは悲しかったけど、でも、今は春佳くんと一緒にいることが幸せなのに。

そんな表情しないで。


私が思わず口を開きかけたとき、眞尋くんがイライラしたように口を開いた。