何度だってキミに、好きを届けたくて。
「氷室先生。どうしたんですか?」

「伊織っ! 今年も作文コンクールに参加してくれるよなっ!?」

「え、あ……」



国語科の氷室先生のキラキラした目。

その手にはすでに原稿用紙を何枚か抱えていて、私に作文コンクールへの拒否権はなさそうだった。


まあ、作文書くのは嫌いじゃないし……。

頼まれたら断れない性格というのも自分で分かっている。

だから私の選択肢は。



「……やります」

「伊織ならそう言ってくれると思ったぞ! 伊織の文章力は先生も認めているからなぁ」

「ありがとうございます」



私は先生から原稿用紙を受け取った。

その枚数、ざっと数えて20枚ほど。
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