何度だってキミに、好きを届けたくて。
夜。

私は春佳くんと待ち合わせをしてランニングをしている。

いつもだったら幸せであふれかえっている時間。

だけど、今日はなんとなく心が沈んでいる。

春佳くんとの会話もなくて、黙々とふたりで川沿いを走っている。


心に残っているのは眞尋くんの告白。

それと、春佳くんと愛美さんの関係。


眞尋くんから告白を受けてから、私はひとつ思ったことがあった。

愛美さんが春佳くんに会いに来たってことは、特別な用事があったからじゃないのかなって。

例えば、告白、とか……。

もしそうだとしたら、春佳くんはなんて答えたんだろう。

告白されて、春佳くんが愛美さんと付き合うことになっていたら、夜ランニングは今日で最後になるのかもしれない。

眞尋くんに、せっかく『頑張れ』って言われたばかりなのに、不安でいっぱいになる私。

沈黙が怖い。


先に沈黙を破ったのは春佳くんだった。



「……眞尋に告白されたの?」



ぱっと隣を走る春佳くんを見れば、春佳くんは前を向いたままだった。

私を見ることもなかったから、私も前を向いて走る。
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