何度だってキミに、好きを届けたくて。
「告白、されたよ」

「……そっか」



小さく呟いた春佳くんは、それ以上なにも言わなかった。

タッタッタッ、とリズミカルな足音だけが聞える。


私も、聞きたい。

春佳くんが愛美さんに告白されたのかどうか。

このまま黙っていても、きっと帰ってからもずっとモヤモヤしちゃうよね……。



「春佳くんは。……愛美さんに、告白されたの?」

「……うん。今日呼び出されたときに、」



その言葉を聞いたとき、目の前が真っ暗になった気がした。

心臓の音が早くなる。

呼吸が乱れる。


これは走っているから、心臓の音が早くなっているだけ?

走っているから、息苦しくなるだけ?


分からないけど、胸が苦しい。

いつも走っている川沿いの明るい街灯も、キラキラ輝く川の水も、今はくすんで見えてしまう。

突然、ひとつの足音が止まった。

横を見れば春佳くんはいなくて、走っていた私は立ち止まる。

後ろを振り返れば春佳くんがこぶしを握って立ち止まっていた。
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