何度だってキミに、好きを届けたくて。
「どう、したの?」



街灯に照らされる春佳くんの表情はどこか真剣で、まっすぐに私を見つめていた。

向き合う私と春佳くん。

春佳くんはゆっくりと口を開いた。



「今度の地区予選に勝ったら、乃亜に伝えたいことがある」

「伝えたい、こと……?」

「うん。だから、今度の試合こそは絶対に勝つから」



春佳くんの言葉で、街灯の光が輝きだす。

まるでスポットライトのようだった。

街灯がまるで映画のワンシーンのように、春佳くんを明るく照らす。


……絶対に勝つ。

春佳くんの力強い言葉が頭の中でリピート再生される。


そして、私に伝えたいこと……。

それはどんな内容なのかは分からないけれど、私も伝えたい。



「私も、応援頑張るから。春佳くんが試合に勝ったら、私も伝えたい」



春佳くんのことが今も好き、って。

もう一度伝えよう。

春佳くんにこの想いが届くまで、何度だって伝えたい……。



「地区予選まで、夜ランニング、付き合ってくれる?」

「もちろんっ!」



一緒に走っていいのなら、私はどこまでも春佳くんと一緒に走り続けるよ……。
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