何度だってキミに、好きを届けたくて。
「春佳は病気を抱えていて、多分その発作が現れたんだ」



春佳くんが病気……?

そんなの、知らなかった。

聞いたこともなくて。

初めて知った事実に私は耳をふさぎたくなった。



「簡単には治らない……、多分治ることのない病気で、」



眞尋くんの声が震える。

私は覆わず手で口を覆ってしまった。

でないと、涙があふれて止まらなくなりそうだったから。



「でも、春佳は懸命に生きている。一番辛いのは自分のはずなのに、いつも笑っていてさ」



今まで私が見てきた春佳くんが頭の中を駆け巡る。


春佳くん、いつだって笑っていた。

前向きで明るくて、さり気ない気づかいをしてくれて。

思いやりがあって、人気があって、それでいて自慢なんてしなくて。

そんな春佳くんの笑顔の裏側には、私じゃ分からないくらいの苦しみと葛藤があったのかな……。



「ときどき学校を休んでいたのも、病院に通院するため。たまに、検査入院とかもあったけど、ここまでの状態を見るのは俺も初めてだ」

「……」
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