何度だってキミに、好きを届けたくて。
眞尋くんにとっては、もしかしたら試合より春佳くんのほうが大事なんだと思う。

愛美さんの言葉に眞尋くんが戸惑っている様子が分かった。

でも、愛美さんだって、きっと春佳くんのことを心配している。

こらえている涙がその証拠だと思う。


きっと愛美さんだって春佳くんのことが心配だろうし、近くにいたいと思っているだろうけど、それでも、彼女はバスケ部マネージャーだから。

行きたくても、自分のやるべきことをやらなくちゃいけない。

そんな思いでいっぱいなんだろう、と彼女の震える姿から想像できる。



「眞尋がいなくちゃ、予選だって勝てないんだよ!? 試合に勝たなくちゃ、春佳に合わせる顔がないじゃん……っ」

「っ、」



黙る眞尋くん。

愛美さんの言うことは最もだ。


春佳くんが今日のために努力してきたこと、私は知っている。

試合に勝つことが春佳くんの想いだと思う。

でも、大切な幼なじみの春佳くんを想う、眞尋くんの気持ちも分かる。
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