何度だってキミに、好きを届けたくて。
キーンコーン。

授業のチャイムが鳴る。

しまった、と、私たちは顔を見合わせた。



「授業に遅刻したっ!」

「い、急がなきゃ……っ」



私たちは廊下を走り、更衣室へと駆け込んだ。

今までにないくらいのスピードで着替え、体育館へ滑りこむ。

クラスメイトはすでにウォーミングアップをしていた。

体育の先生はまだ来ていないようで、『ギリギリセーフだね』と、莉緒ちゃんとほっと肩を降ろした。


私たちもウォーミングアップを始めていると、体育の先生が遅れてやってきた。

通称、ゴリ先生。

通称も何も、”五里”って名字だから、そのままではあるんだけど……。

言ってしまえば、ゴリラみたいな体格で、好きな食べ物もバナナと自分で言っているから”ゴリラ”の”ゴリ先生”。

先生も生徒たちからの呼び方を愛称として受け取ってくれている。
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