何度だってキミに、好きを届けたくて。
……そっか。

ゴリ先生は春佳くんの病気のこと知っていたんだ。


そうだよね。

先生だから知らないはずないよね。

でも、なんで病気を抱えている春佳くんを、いつも試合に出していたんだろう。

ハードすぎる試合に出して、春佳くんの容態が悪化したらどうしようとか考えなかったのかな。


純粋な疑問をゴリ先生に問いかけた。

先生はその答えを教えてくれた。



「”病気だから”という理由で、俺は人を判断しない。伊吹は自分の病気を理解した上で、誰よりも努力をし続けてきた。その努力に実力も追いついている」

「……っ、」

「だから、俺は伊吹をスタメンとして試合に出しているんだ」

「そう、だったんですね……」



なにも、知らなかった。

ゴリ先生の気持ちも、春佳くんの数えきれない努力も。


春佳くんの”病気”と向き合うことが、どこか怖かった私。

どう向き合えばいいかわからなかったけれど、ゴリ先生の言葉でハッとした。
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