何度だってキミに、好きを届けたくて。
今まで通り、”春佳くん”は”春佳くん”として向き合えばいいんだ。

病気だからとか関係ない。

春佳くんのありのままの姿を見つめればいいんだ……。


私は心が震えた。

怖いからじゃない。

不安だからとかじゃない。

ただ、みんなの気持ちも受け止めた上で、早く春佳くんのところに行きたいんだ。



「ゴリ先生……っ」



突然、ゴリ先生の名前を呼びながら駆け寄ってくるひとりの女性がいた。

シンプルなワンピースにランニングシューズというミスマッチな格好。

慌ててこの場にやってきたということが伝わる。


だから、この女性はきっと。



「伊吹のお母さんですね」

「はいっ。眞尋くんに電話したんですけどっ、」

「一応、うちの学校は携帯禁止なんです。それでも、連絡してくださったことは倉木も嬉しかったと思います」



ゴリ先生がお母さんをなだめるように穏やかな声で言葉をかける。
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