何度だってキミに、好きを届けたくて。
白い床。

白い壁。

白い天井。


そんな真っ白な病室にふさわしくないほどの機械。

そして、白いベッドに横になって眠っている春佳くんの手を握る、春佳くんのお母さん。

お母さんは床に膝をつき、布団に顔をうずめて泣きながら先生の質問に答えている。


車の中で、私に話しかけてくれたお母さん。

きっと、無理、していたんだよね……。

春佳くんのお母さんだって辛いはずなのに、私に気をつかって話しかけてくれていたんだよね。


春佳くんのお母さん、ごめんなさい。

春佳くんも、ごめんなさい。


なにも気づかなくて。

なにも気づこうとしなくてごめんなさい……。
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