何度だってキミに、好きを届けたくて。
私はおずおずと賞状を受け取る。

やっぱりそこには”最優秀賞”の文字。

本来なら嬉しさがこみあげてくるはずなのに、今はなんだか複雑でしかない。


春佳くんの姿が頭によぎる。

春佳くんに見せたら喜んでくれるのかな。

きっと、春佳くんのことだから『良かったね』って言ってくれるんだろうな。


でも。

今も春佳くんは眠ったままなのかな。

この賞状をもらっても、笑顔の春佳くんを見ることはできない。

そう思うと、私にとって、この賞をとったことになんの意味があるのか分からなかった。



「それで、伊織さん。来週の月曜日に全校集会を開こうと思う」

「はい……」

「そこで、この作文を発表して欲しい」

「全校生徒の前で私が読むってことですか?」

「ああ。お願いできるかね」



そう言って、校長先生はコンクールに提出した作文も私に手渡してくれた。
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