何度だってキミに、好きを届けたくて。
だけど、私は頷くことができなかった。

首を横に振ることもできない。

こんな重たい気持ちのままじゃ、作文なんて発表できない。


私の中学生活を書いた作文。

その中学生活に大切な春佳くんが今、ここにいないのだから……。

それでも、校長先生の頼みだから、簡単に断ることもできない。


どうしていいのか分からなくなってしまった私に校長先生は、ふぅ、と息を吐いた。



「返事は今すぐじゃなくていいから。今週の金曜日までに返事は聞かせて欲しい」

「……分かりました」



私は賞状と作文を右手に持ち、校長先生に頭を下げた。



「失礼します」



校長室から出る私は、どうやって教室まで戻ったのか覚えていない。
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